ジャブにつづく「あしたのために」は右ストレートです。
あしたのために(その2)
=右ストレート=
左ジャブで敵の体勢をくずし突破口を
見いだせば すかさず右ストレートを打つべし。
これ、拳闘の攻撃における基本なり。
右ストレートは 右拳に全体重をのせ
まっすぐ目標をぶちぬくように打つべし。
このさい、打ったコースと同じ線上を
同じスピードで ひきもどすこと。
一発でKOをうむ必殺パンチなり。
ここまでの段平の指導はきっとボクシングのセオリー
どおりなのだと思います。
であればつぎのパンチはフックかそれともアッパーか
とあなたは想像するでしょう。
(しなくてももちろん結構です)
ところがつぎに段平がジョーに伝授したのは
クロスカウンターだったのです。
段平は非力なジョーが力石を倒せる方法はないか
考えました。そしてたどりついたのがクロスカウンター
でした。これこそジョーが力石をマットに沈めうる
秘策だったのです。
この段平の指導法に習い藁竹茅の「あしたのために」は
茅葺きの基本的な技術を全般的に解説することを目的とはせず
あえて一入亭の茅葺き修理に必要なコトだけに集中します。
縄結び
足場や屋根下地を組んだり、屋根下地に茅をしばりつけるときは縄を使って結びつけます。
結び方や縄の種類は結ぶ目的にふさわしいものを選びます。
例によって世田谷区次大夫堀民家園の茅葺研究会で学んだことを参考にまとめてみました。
荒縄(手綯い)
近代化以前の茅葺では藁を手で綯(な)った荒縄を使いました。綯うのがたいへんなため現代の茅葺ではほとんど使われていません。
荒縄(機械製)
手綯いの藁縄にかわって現代の茅葺では縄綯機でつくられた荒縄を主に使います。使う縄の太さは2分5厘(8㎜)が一般的です。国産品の市場価格は1メートル10円程度です。藁の繊維が寸断されているため手綯いの縄よりも引張に弱く、表面が荒れていて滑りがよくありません。
ジュート縄
藁縄に比べて水に濡れに強く引張強度もあります。価格は機械製の荒縄と同じ程度です。ジュート縄は色や形などが茅葺になじまないので茅葺の内部など目立たないところに使います。
シュロ縄
シュロでできた太さ3ミリほどの細縄です。植木の養生や竹垣に使われるのと同じものです。茅葺ではあまり荷重のかからない部分などに補助的に使います。
以上のほか職人によってはとくに縄が腐食しやすい部分に針金や天然繊維の以外の縄を使うことがあります。
縄の結び方
ハコシバリ
| ハコシバリ(表) |
サスの上にヤナカ⇒ハコシバリ×荒縄
丸太(サス)と太い竹(ヤナカ)をしっかりと結ぶ
| ハコシバリ(裏) |
イボムスビ
ヤナカの上にタルキ⇒イボムスビ×荒縄
荒縄でたくさんの箇所を早く緩みなく結ぶ
動画https://www.youtube.com/watch?v=aVNmS4FsVhA
エツリカラゲ
タルキの上にエツリ⇒エツリカラゲ×シュロ縄
シュロ縄でイボムスビよりもさらに早く結ぶ
ロッパカラゲ
タルキの上にロッパ⇒ロッパカラゲ×荒縄荒縄で縄の両端がつながった状態で結ぶ
https://www.youtube.com/watch?v=ax8WYNOrPCY
ハリッカラゲ
オショーコ※⇒ハリッカラゲ×ジュート縄結んだあとにさらに緊結できる
https://www.youtube.com/watch?v=yeFTuC9HZxA
※茅束を屋根下地などに結束するときに茅束を押さえつける木枝などのことです。エゴノキやマンサクの直径3センチほどの柔軟性がある木の枝が使われます。
ヒネリコミ
茅束⇒ヒネリコミ
茅を束ねるときの結び方
ここでは茅ではなく稲わらを束ねています。
動画https://www.youtube.com/watch?v=sNnX1xxufus
以上が茅葺でよくつかう縄の結びかたです。
「あしたのために(その3)」は「茅」です。
つづく
藁を手で綯(な)った荒縄、「綯う)は死語ですね。 縄を綯う、分かる人は少ないでしょうね。
返信削除両親の田舎(栃木)に行った時に見たような気がします。 足なども使い、藁を揉んでいるだけで、縄が出来てしまう不思議な光景でした。
ジュート縄、材質はなんですか?
綯機でつくられた荒縄の方が手綯いの縄よりも引張に弱く、表面が荒れていて滑りが良いとの事。 機械の方が上手く出来そうですが、手で綯った方が使いやすい。 びっくり。
日本の気候に合ったものは、やはり日本の材料で作った物なのでしょうね。
縄を綯うのが上手な人の手の動きを見ているとたしかに不思議です。なぜあのような動作からあのようなものが生まれてくるのかと思いますね。その人もとうぜん最初からそんなミラクルなことができたわけではありません。縄綯いというどちらかといえば単調な作業をながいあいだ倦まず弛まずやってきた結果だと思います。ときにはやる気になれない日もあったでしょう。いらいらしていたり、体調がわるかったり。にんげんですから。(相田みつを)
返信削除そんなこんなの結果、気がついてみれば無駄のない動きの中からよりいいものを生み出せるようになっていた、ということでしょうか。縄を綯うというのは縄文のむかしから近代まで延々と人がやり続けてきた作業でしょうね。これが自分でできたとき、なんともいえない感動がからだのなかから湧きあがります。にんげんですから。
ジュートの原材料は麻です。麻にはいろいろ種類があり、ジュートはそのうちのひとつです。麻をつかった縄にはほかにも昔登山ロープに使ったマニラ麻があります。自然素材の縄では最も引張強度が強い縄といわれていす。アバカ縄という商品名で市販されています。強度は強いのですがお値段も高いのであまり使われていません。
茅葺では茅束のあいだの狭いところに縄をとおしたり、茅束を締め上げるといった作業を頻繁に行います。このようなとき機械綯いの荒縄はほんとうに弱くて滑りも悪くてなさけないです。
茅葺民家は家のまわりで手に入る材料で建てられてきました。木、土、藁、竹、茅。土以外はすべて有機物で家が朽ちたあとは土に還ります。なので藁竹茅もいずれ土に還るよていです。にんげんですから。