ラベル 茅葺き日記 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 茅葺き日記 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年10月26日金曜日

茅葺き日記 2年目 前中門左奥

一入亭の差茅の九日目です
今日は下部三分の一の刈り込みをして足場を解体すると完了です

昨晩かなり露が降りたので茅がすっかり濡れてしまいました
茅が乾き始めた昼前から刈り込みを再開して昼過ぎに軒端まで終わりました

上段

中段

下段

下から見上げたところ


軒端


軒端から見上げたところ


ミズミチはなくなりました
さてうまく流れるかな?


例により次回以降のためのメモを残します

一入亭 差茅修理 2018年秋
<修理箇所> 左中央
<修理期間> 10月9日~10月26日
<作業日数> 足場建て 半日
       差茅   6日半
       刈込み  1日半
       足場撤去 半日
       合計   9日(1日の実働は6時間)
<道具>   梯子(大、中)、足場丸太(三間10本、二間6本)、足場板、シノ、
       シート、大久保鋏、屋根鋏、ヘラ、ガンギ(長、短)、茅ブランコ、
       竹箒、砥石、バケツ
<材料等>  差茅40束(二尋の荒縄で二重にしばった太さ)、箱番線 20本、
       ポリエチレン紐(太さ8㎜と6㎜)
<コメント>
・修理面積は幅一間の高さ二間半で8㎡
・修理面積が狭いわりに時間がかかりました
 その理由としては以下のとおりです
 この場所が2000年に全く新規で葺いたところで茅が締まって引きにくかった
 ミズミチ対策で何か所かトタンを入れた
 とちゅう全身の筋肉痛と腰痛で作業のペースが落ちた
・今回は足場板をしっかりとビスで止めたので足場は安定していました

次回の差茅は来年の春です
無理をせず持続可能な差茅をしていきたいと思います
一入亭 2018年10月26日
追伸 明日からはしばらくしぐれるようで短い秋がもう終わる気配です
あと半月もしたら茅刈りをして冬迎えをします
今冬は小雪(こゆき)かもしれません
外壁に立てかけておいたヨシズにメスのカマキリが逆さにとまって産卵態勢に入っていました
地上から120㎝ほどの高さです
そのすぐとなりにはすでに産みつけられた卵のうがひとつありました

カマキリは来るべき冬の最高積雪面を予測してそれに近いところに産卵するといわれています
酒井興喜夫という方の長岡市での研究です(「カマキリは大雪を知っていた」農文協)

一入亭も長岡市にあります
一入亭がある地区の昨冬の最大積雪深は295㎝でした(長岡市防災気象情報サイト)
この半分以下であれば小雪といえるでしょう
はたしてカマキリの積雪予報は当たるかな?

2018年5月22日火曜日

茅葺き日記 2年目 前中門正面

足場を解体したので修理したところがすっかり見えます

こちらが修理前です
真横から見たところです
屋根の傾斜が矩勾配(かねこうばい=45度)になっているでしょうか

屋根面は平らになっていますか

軒端は一直線でしょうか

軒裏の茅はきちんと収まっているでしょうか

左右の隅のバランスはとれていますか

昨年修理した屋根面との繋がりはスムーズでしょうか

はい大体よろしいのではないでしょうか
今夜はビールで乾杯します
その前に次回以降のためのメモを残します

一入亭 差茅修理 2018年春
<修理箇所> 前中門 正面
<修理期間> 4月26日~5月22日
<作業日数> 足場建て 1日
       差茅   5日
       刈込み  1日
       足場撤去 半日
       合計   7日半(1日の実働は6時間)
<道具>   梯子(大、中)、足場丸太(三間16本、2間8本)、足場板、シノ、
       シート、大久保鋏、屋根鋏、ヘラ、ガンギ(長、短)、茅ブランコ、
       竹箒、砥石、バケツ
<材料等>  差茅34束(二尋の荒縄で二重にしばった太さ)、箱番線 36本、
       ポリエチレン紐(太さ8㎜と6㎜)
<コメント>
・修理面積は昨年の三分の一で所要日数もおよそ三分の一でした
・作業日数が短かったので体力的には昨年よりも楽でした
・足場が高くて眺めがよかったのですが足場板が揺れて不安定でした
・足場の幅は半間では狭くて刈り込みの作業がしにくいので1m強あるといいですね
・軒のすぐ下に茅を置いたので茅を取りに行くのが楽でした
・一年一回の修理なので段取りを忘れてしまった作業内容がありました
 対策としてブログに「差茅マスタ」を作りそれを参照して作業できるようにします
 それから差茅がまだ40束残っているので今秋に小規模な修理をします


2017年5月24日水曜日

茅葺き日記 1年目 前中門左

刈込み
差茅をしたあとその表面を屋根鋏で刈込みます
上の足代丸太の上を刈込んだところです
グシ(棟のこと)から下に向かって刈込っていきます。
刈込んだ屋根面
差茅したところを全部刈込むのに2日もかかりました
結構たいへんです
そもそも差茅したあとになぜ表面を刈込むのでしょうか?
正確な理由はわかりません
屋根面の見栄えと雨水の切れをよくすることではないかと想像します
茅の末端が目尻のよぅな形をしていると水がぽたっと落ちます
こんど関さんに刈込む理由を聞いてみましょう

刈込みが終わりました
ところどころ縞が横に走っていて恰好が悪いですね
足場を取っ払いました

一入亭を北西側から見たところ
今回差茅したのは前中門の左側です。これで屋根面全体(231㎡)の約10分の1です
10年かけて全面を差茅するつもりなので毎年これくらいやることになります

来年のためのメモ
今年の茅葺きの実際を記録して来年以降の参考にします

<所要日数> 足場建て   半日
       茅刈り   4日 「い」と「は」の茅場、各2日
       茅拵え   4日 97束作成(1束は一尋の縄で二重にしばった太さ)
       差茅    11日
       刈込み   2日
       足場撤去 2時間
         合計  22日(1日の実働は6時間)

<道具>   茅刈り 刈払機
       茅拵え 屋根鋏、砥石、鎌、差茅定規(80㎝)、シート、自動車 
       差茅  梯子(大、中)、丸太(三間12本、2間6本)、足場板、シノ
           ペンチ、シート、大久保ハサミ、屋根ハサミ、ヘラ、ガンギ
          (長、短)、茅束ブランコ、竹箒、砥石

<材料等>  茅刈り ガソリン
       茅拵え 荒縄
       差茅  茅92束(二尋の荒縄で二重にしばった太さ)、箱番線、
           ポリエチレン紐(太さ8㎜と6㎜)、針金(太さ2㎜)

<気力・体力> いくらでもあるといい



2016年10月27日木曜日

あしたのために その2 縄結び

段平の指導にしたがってジョーはジャブの練習をしました。
ジャブにつづく「あしたのために」は右ストレートです。

     あしたのために(その2)
     =右ストレート=
     左ジャブで敵の体勢をくずし突破口を
     見いだせば すかさず右ストレートを打つべし。
     これ、拳闘の攻撃における基本なり。
     右ストレートは 右拳に全体重をのせ
     まっすぐ目標をぶちぬくように打つべし。
     このさい、打ったコースと同じ線上を
     同じスピードで ひきもどすこと。
     一発でKOをうむ必殺パンチなり。


ここまでの段平の指導はきっとボクシングのセオリー
どおりなのだと思います。

であればつぎのパンチはフックかそれともアッパーか
あなたは想像するでしょう。
(しなくてももちろん結構です)
ところがつぎに段平がジョーに伝授したのは
クロスカウンターだったのです。

段平は非力なジョーが力石を倒せる方法はないか
考えました。そしてたどりついたのがクロスカウンター
でした。これこそジョーが力石をマットに沈めうる
秘策だったのです。

この段平の指導法に習い藁竹茅の「あしたのために」は
茅葺きの基本的な技術を全般的に解説することを目的とはせず
あえて一入亭の茅葺き修理に必要なコトだけに集中します。


縄結び

足場や屋根下地を組んだり、屋根下地に茅をしばりつけるときは縄を使って結びつけます。
結び方や縄の種類は結ぶ目的にふさわしいものを選びます。

例によって世田谷区次大夫堀民家園の茅葺研究会で学んだことを参考にまとめてみました。


縄の種類

荒縄(手綯い)
近代化以前の茅葺では藁を手で綯(な)った荒縄を使いました。綯うのがたいへんなため現代の茅葺ではほとんど使われていません。






荒縄(機械製)
手綯いの藁縄にかわって現代の茅葺では縄綯機でつくられた荒縄を主に使います。使う縄の太さは2分5厘(8㎜)が一般的です。国産品の市場価格は1メートル10円程度です。藁の繊維が寸断されているため手綯いの縄よりも引張に弱く、表面が荒れていて滑りがよくありません。




ジュート縄
藁縄に比べて水に濡れに強く引張強度もあります。価格は機械製の荒縄と同じ程度です。ジュート縄は色や形などが茅葺になじまないので茅葺の内部など目立たないところに使います。






シュロ縄
シュロでできた太さ3ミリほどの細縄です。植木の養生や竹垣に使われるのと同じものです。茅葺ではあまり荷重のかからない部分などに補助的に使います。






以上のほか職人によってはとくに縄が腐食しやすい部分に針金や天然繊維の以外の縄を使うことがあります。


縄の結び方

ハコシバリ
ハコシバリ(表)

サスの上にヤナカ⇒ハコシバリ×荒縄

丸太(サス)と太い竹(ヤナカ)をしっかりと結ぶ



ハコシバリ(裏)

イボムスビ


ヤナカの上にタルキ⇒イボムスビ×荒縄

荒縄でたくさんの箇所を早く緩みなく結ぶ

動画https://www.youtube.com/watch?v=aVNmS4FsVhA




エツリカラゲ


タルキの上にエツリ⇒エツリカラゲ×シュロ縄

シュロ縄でイボムスビよりもさらに早く結ぶ
ロッパカラゲ
タルキの上にロッパ⇒ロッパカラゲ×荒縄

荒縄で縄の両端がつながった状態で結ぶ

https://www.youtube.com/watch?v=ax8WYNOrPCY

ハリッカラゲ
オショーコ⇒ハリッカラゲ×ジュート縄

結んだあとにさらに緊結できる

https://www.youtube.com/watch?v=yeFTuC9HZxA

茅束を屋根下地などに結束するときに茅束を押さえつける木枝などのことです。エゴノキやマンサクの直径3センチほどの柔軟性がある木の枝が使われます。

ヒネリコミ

茅束⇒ヒネリコミ
茅を束ねるときの結び方
ここでは茅ではなく稲わらを束ねています。

動画https://www.youtube.com/watch?v=sNnX1xxufus


以上が茅葺でよくつかう縄の結びかたです。
「あしたのために(その3)」は「茅」です。

つづく