2016年2月14日日曜日

一入亭

1993年の春にわたしはモヤモヤをかかえていました
なぜそうなったのかも分からないままわたしはあちらこちらの古民家を見てあるきました

一入亭 南東側 1994年4月16日



越後の山あいにあるこの茅葺の家が気に入りました。江戸時代のおわりに建てられたと聞きました。あれやこれや考えたあげくこの家と気長につきあっていくことにしました。



この家で気ままにしているとこころが静かになりました
わたしはこの家を一入亭(ひとしおてい)と名づけました


一入亭は新潟県から秋田県にかけての中山間部にかつて数多くあった中門造(ちゅうもんづくり)という軒下の高い茅葺の曲り家です
一入亭 北西側 1993年7月9日

一入亭 平面図 1993年7月23日

建てられてから100年以上たったこの家にはほうぼうに改築のあとがありました
北西側の増築部分は総二階で屋根はコンクリート瓦葺でした






わたしは一入亭をできるだけ建てられた当時のすがたにもどし内部は住みやすいように改修しようと考えました
一入亭 改修計画図

間取りはニワ(土間)、チャノマ(居間)、デイ(座敷)という伝統的な広間型に復元したいと思いました
表側の中門の厩(ウマヤ)があったところには水回りを集中させ寝間(ネマ)があった後ろの中門には書斎をおきたいと思いました


茅葺と上下水道・ガス工事のほかは自分でやるつもりでつぎのような改修計画をたてました
 1.茅葺屋根の葺替
 2.前中門前部と母屋南東側のガンギおよび物置小屋の撤去
 3.北西側の増築部分の撤去とその部分の屋根の茅葺
 4.既存の台所・風呂・便所の撤去と水回りのウマヤへの集中
 5.屋内電気配線の再配線

一入亭の被害を伝える新聞
2005年1月




改修計画の3までをやり終え4にとりかかっているときに中越地震(2004年10月23日)がおきました
震度7の震央にあった一入亭の敷地には亀裂が入り地盤が傾きました
建物もダメージを受けて「半壊」と診断されました。






一入亭 北西側 2016年8月17日



中越地震の被害からの復旧に3、4年を費やしました
それからふたたび改修をはじめ当初に計画した修理を2014年の夏までに終えました
改修をはじめてから20年がたっていました。




一入亭 南東側 2016年7月8日


いま一入亭は茅葺屋根がだいぶ薄くなってきました
居住性をよくする必要もあると思います
第2次の改修計画をたてて2026年までに仕上げたいと思っています
どうなるでしょうか?
その様子をこのブログでお知らせしていきます。

2 件のコメント:

  1. 20年も経つのですね。 ずいぶん部屋が沢山ありますね、大家族だったのでしょうか?
    冬は雪深い地域でしょうから、その対応も大変でしょうね。 藁葺屋根、材料集めを含め大変そう。 頑張って下さい。

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  2. サイケンさんコメントありがとうございます。この家は建てられてから100年以上経過しています。そのあいだに生活スタイルが変化して部屋数が増えていったのではないでしょうか。また東日本、北日本は寒冷期に屋内で作業をするので西日本の農家よりも部屋が広かったようです。
    毎年11月ごろ雪が降り始める前に雪囲いをします。積雪量をアメダスで見ていて「けっこう積もったな」と思ったら雪掘りに出かけます。この地方では「雪かき」ではなく「雪ほり」といいます。湿った雪がどっさり降りますからスコップやスノーダンプでガシガシ掘らないと終わりません。ひと冬に3回ぐらい行きますが、昨冬は雪が少なく一度も掘らずにすみました。
    茅葺技術の習得と茅の確保は目下の課題です。おりおりそのようすをお知らせしていきます。倒れない程度にがんばります。

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